
公募売買と実測売買の違いは?不動産売買で損しないための基礎知識
測量図と現地の土地の形や面積が違うように見えると、不動産売買を進めてよいのか不安になります。
実は、公募売買と実測売買という考え方を正しく理解しておくことで、その不安はかなり軽くできます。
どちらを前提に売買契約を結ぶのかによって、売買価格の決まり方や、面積差が判明したときの対応、さらには将来のトラブルリスクまで大きく変わるからです。
この記事では、不動産売買の現場で使われる公募売買と実測売買の基礎から、測量図と現地が食い違う場面で何が問題になるのか、そして安全に契約するための実務的なチェックポイントまで、順を追ってわかりやすく解説します。
売主・買主いずれの立場でも、後悔のない取引につなげたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
【HIBIog】10月16日:不動産の選び方を解説!富士市と富士宮市で富士山ハザードを踏まえた安心の住まい探し
みなさん、こんにちは。日比です。
10月16日となり、富士宮の街中では11月頭の「富士宮秋まつり」に向けたお囃子の稽古の音が聞こえ始める頃となりました。
日が暮れるのがすっかり早くなり、秋の夜長とともに街の伝統や文化の温もりを感じる季節ですね。
富士山麓の自然と歴史に育まれたこの地域で、納得のいく住まい選びを考えてまいりましょう。
それでは、本日も分かりやすく解説していきます。
公募売買と実測売買の基礎と不動産売買
公募売買とは、登記簿に記載された地積などの公募面積を基準に売買価格を決め、その後に実際の面積との差が判明しても原則として代金の増減や清算を行わない取引方法です。
これに対して実測売買とは、測量によって確定した実測面積を基準に単価を掛け合わせて売買価格を定め、登記簿面積との差があれば契約で定めた方法に従い清算する取引方法です。
不動産売買契約では、公募売買か実測売買かによって、面積差が生じた場合の当事者の負担やトラブル発生時の対応が大きく異なります。
そのため、どちらの方式が採用されているかを事前に理解しておくことが、安全な不動産売買の第一歩になります。
土地の売買価格を決める際には、「どの面積を基準に計算するか」が重要なポイントになります。
公募売買では、登記簿に記載された公募面積をそのまま対象面積とし、㎡単価や坪単価を掛け合わせて売買価格を算出し、その後に実測面積が増減しても原則として代金は変わりません。
一方、実測売買では、契約前または契約後決済までの間に測量を行い、実測面積に基づいて最終的な売買価格を確定し、公募面積との誤差は契約で定めた単価により清算します。
そのため、「面積がどれだけ変わると、代金はいくら変動するのか」を事前にイメージしながら、売主・買主双方で納得できる方式を選択することが大切です。
実際の契約書や重要事項説明書では、公募売買か実測売買かが条文や特約の形で明記されますので、まず「売買対象面積」の条項を丁寧に確認することが必要です。
公募売買の場合には、「登記簿による面積とし、実測面積と相違があっても売買代金の増減はしない」といった趣旨の文言が記載されていることが一般的です。
一方、実測売買の場合には、「測量によって得られた面積を対象面積とする」「公募面積と実測面積に差があるときは、残代金支払日に単価により清算する」といった内容の特約が付されることが多いです。
こうした記載を読み飛ばさず、不明点があれば早い段階で専門家に説明を求めることが、面積差をめぐるトラブルを未然に防ぐことにつながります。
| 項目 | 公募売買 | 実測売買 |
|---|---|---|
| 価格決定の基準 | 登記簿記載の公募面積 | 測量で確定した実測面積 |
| 面積差の清算 | 原則として行わない | 契約で定めた単価で清算 |
| 契約書での確認点 | 代金不変更の条項の有無 | 測量方法と清算条件の記載 |
測量図と現地が違う時に何が問題になるのか
登記簿に記載された地積や、登記所に備え付けられている地積測量図・公図の内容と、現地の境界線や面積が食い違うことは珍しくありません。
とくに、明治時代に作成された旧土地台帳附属地図を基にした公図は、現況と大きく異なっている場合があるとされています。
また、古い時期の測量では測量技術や基準が現在ほど精密でなかったことから、筆界の位置や面積に一定の誤差が含まれている可能性があります。
そのため、登記情報と現地状況が完全には一致しない前提で、不動産売買を考える必要があります。
では、登記簿や地積測量図と現地のどちらを信頼すべきかという点が疑問になりますが、登記の記録は公的な基礎情報であっても、必ずしも現況そのものを保証するものではありません。
地図整備が進んでいない地域では、登記所の図面の約半数が古い公図によるものであり、現地との差異が生じ得るとされています。
一方で、実測売買の場合には、売買契約後に行う測量結果に基づいて面積を確定し、登記上の面積との差を清算することが一般的な取引実務とされています。
このように、公募売買か実測売買かによって、登記と現地の違いが売買代金にどのように反映されるかが変わってきます。
測量図と現況の不一致を放置すると、境界紛争や代金トラブルなど、さまざまなリスクにつながります。
たとえば、公募売買で取引した後に実測すると、登記面積より実際の面積が大きく違い、買主が代金の減額や増額を求めるケースが見られます。
また、隣地所有者との間で筆界の位置が争いとなり、境界確認や筆界特定の手続に時間と費用がかかる場合もあります。
したがって、測量図と現地にずれがありそうな場合には、取引前にその内容とリスクを十分に確認し、契約条件にどのように反映するか検討することが重要です。
| 不一致のパターン | 背景要因 | 想定されるリスク |
|---|---|---|
| 公図と現況の位置ずれ | 旧公図・測量精度の限界 | 隣地との境界紛争 |
| 登記面積と実測面積の差 | 古い測量・利用状況の変化 | 売買代金の増減を巡る争い |
| 測量図と境界標の不一致 | 境界標の亡失・移設 | 再測量費用や手続負担 |
公募売買か実測売買かを選ぶ判断ポイント
まず、公募売買と実測売買のどちらが選ばれやすいかは、土地の性質やこれまでの測量状況によって大きく変わります。
一般的には、面積が比較的に小さく、形状が整っており、周囲の境界も長年動いていない土地では、公募売買が用いられることが多いとされています。
一方で、面積が大きい土地や不整形地、過去の測量から長い年月が経過している土地などでは、実測売買として面積差を清算する取引方法が検討される場面が少なくありません。
このように、土地の個性と測量履歴を整理することが、取引方法を考えるための出発点になります。
次に、公募売買と実測売買を比べるうえでは、測量に要する費用と時間、それに対して想定される面積差が価格やトラブルリスクに与える影響を冷静に見極めることが大切です。
実測売買では、契約後に測量を行い、公募面積との差を事前に定めた単価で精算する方式が一般的とされています。
この場合、測量費用を誰が負担するのか、測量にどの程度の期間を要するのかを踏まえ、精算で増減し得る金額と比べて納得できるかを検討する必要があります。
公募売買であれば測量費用や期間の負担は抑えられますが、後から面積差が判明しても代金を清算しないのが原則となるため、そのリスクを許容できるかどうかが判断の分かれ目になります。
さらに、測量図が古い場合や境界標がはっきりしない場合、そもそも地積測量図が備え付けられていない場合には、公募売買とするか実測売買とするかを特に慎重に検討する必要があります。
例えば、古い測量図は、当時の測量精度や周辺状況の変化により、現況とずれが生じている可能性が指摘されています。
また、境界標が欠けていたり、隣地との境界線について口頭の認識しかないようなときは、境界紛争や面積差による代金トラブルにつながりやすいとされています。
このような事情があるときには、売主・買主の双方が、どの程度まで測量や境界確認を行ったうえで契約するのか、実測精算を行うのかといった点を、契約書の特約で明確にしておくことが重要です。
| 土地の状況 | 選ばれやすい取引方法 | 特に確認したい点 |
|---|---|---|
| 面積小さく形状整形 | 公募売買が中心 | 登記簿面積と図面の整合 |
| 面積大きい不整形地 | 実測売買を検討 | 測量費用負担と精算単価 |
| 測量図古い又は境界不明瞭 | 実測売買や特約重視 | 境界確認の方法と範囲 |
安全な不動産売買のための実務的チェックリスト
測量図と現地の状況が違うと感じたときは、まず登記簿や公図、地積測量図などの基礎資料を順番に確認することが重要です。
国土交通省や法務局では、登記簿上の地積と現況が一致しない地域があることを前提に、地図整備や測量の考え方を整理しています。
そのため、登記情報だけをうのみにせず、現地の境界標や隣地所有者の認識も合わせて確認し、必要に応じて土地家屋調査士や弁護士など専門家への相談を検討することが安心につながります。
あわてて結論を出さず、資料と現況を比較しながら、どこにズレがあるのかを落ち着いて整理する姿勢が大切です。
次に、不動産売買契約の前に、公募売買と実測売買のどちらとするのかを契約書案や重要事項説明書で明確にしておく必要があります。
国民生活センターや不動産関連団体の資料では、公募売買の場合、登記簿面積と実測面積に差異があっても売買代金を清算しない特約が多く用いられていることが指摘されており、合意内容の理解不足がトラブルにつながりやすいとされています。
一方、実測売買や実測清算方式では、一定以上の面積差が生じたときに、あらかじめ定めた単価で代金を増減する条項を設けるのが一般的とされています。
どの方式を選ぶにしても、面積差が判明した場合の清算方法や、契約不適合責任との関係を事前に確認し、疑問点は必ず書面と説明で解消しておくことが重要です。
さらに、将来の売却や相続を見据えると、早い段階から境界確認と測量、図面の整備を進めておくことが有効です。
全日本不動産協会などの実務解説では、確定測量図に基づく実測売買や、隣地所有者立会いの境界確認を行っておくことで、面積差をめぐる紛争を予防できるとされています。
相続や建替え、持分の売却など、大きな手続が予定される前は、境界標の有無や測量図の新旧を確認し、図面が古い場合や不明確な場合には、早めに専門家へ相談して測量を検討することが望ましいです。
このように、売買時だけでなく、長期的な視点で境界と面積情報を整えておくことが、安心できる不動産取引の土台になります。
| 確認場面 | 主なチェック項目 | 早めに行う理由 |
|---|---|---|
| 測量図と現況の差異確認 | 登記簿面積と現況面積の把握 | 境界紛争や説明不足の予防 |
| 契約前の合意内容確認 | 公募売買か実測売買かの明示 | 面積差清算や代金調整の明確化 |
| 将来の売却や相続準備 | 境界確認と確定測量図の整備 | 次回取引時のトラブル回避 |
まとめ
測量図と現地が違うと感じたら、そのまま契約を進めるのは危険です。
まず、公募売買か実測売買かを契約書や重要事項説明書で確認し、どの面積を基準に価格や精算が決まるのかを理解することが大切です。
境界や面積の食い違いは、代金トラブルや近隣との紛争につながる前に、早めに専門家へ相談することで多くを防げます。
当社では、公募売買・実測売買の仕組みや測量の必要性をわかりやすくご説明し、お客様ごとの事情に合わせた契約内容やチェックポイントを一緒に整理いたします。
「うちの土地は大丈夫かな」と少しでも不安があれば、まずはお気軽にお問い合わせください。


